梅雨明けとともに連日の猛暑の中、草加市中央公民館で令和3年7月の定例句会が行われました。
（兼題：火取虫）
◆高得点句
この村の銀座通りや火取虫 悦子
古書店の裸電球火取虫 寿郎
人の世を暫し見てをり立葵 光子
門灯へ一夜泊めよと火取虫 好晴
窓に向日葵テレビには土石流 淳
風鈴の鳴らぬ真昼の草むしり 美枝子
今日の汗極楽風呂となる夕べ 喜代江
団欒に人恋しくて火取虫 二三子
打つ前の消毒涼し白衣の手 久雄
海鳴りが耳に残るよ夏の宿 勇
ベートーヴェンの運命と闇火取虫 藤夫
◆一人一句
羽抜鳥人に確かむ己が影 悦子
宿坊の徳用燐寸蚊遣香 寿郎
戸を開けば今朝新しき薫る風 好晴
まとひつく甘き風あり蜘蛛の糸 鈴子
近づき来鼻緒の鈴や朝顔市 光子
蝉しぐれ浴びて地球は傷だらけ 淳
火取虫明日なき夜を競い舞う 美枝子
高台の蛇笏龍太へ桃うるる 喜代江
杣道で老鶯の声ふるえ立ち 二三子
給油所の明かり煌々火取り虫 久雄
火取虫ヘッドライトに誘われて 勇
桟橋で娘見送る白日傘 藤夫
門灯の消えて闇夜の火取り虫 烈子
病む妻の傍らに落つ火取虫 素秋
曇天へ出入り忙しき夏燕 美子
一夜づけの試験勉強火取虫 圭子
名古屋場所楽しみ多し綱取りぞ 嘉明
（令和3年7月21日、於：草加市中央公民館）
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